サラボーンはモダンジャズボーカリストの中でもとりわけ歌唱力が素晴らしいです。
オペラ歌手並みの音域を持っていたサラボーンは今でも音源でそのことは確認できます。
今回はそんなサラボーンの魅力は何なのか?
書いてみたいと思います。
サラボーンのプロフィール
1924年、アメリカのニュージャージー州生まれ。
1945年にソロシンガーとしてデビューした。
1947年から1951年までダウンビート誌の女性シンガー部門で1位を獲得しマイルス・デイヴィスとのセッション、クリフォード、ブラウンやキャノンボールアダルなどと名作を残している。
その深みと粘りのある性質を生かし、素晴らしい音源を残している。
大柄な体格から発せられる声量は、オペラ歌手並みだったと言われている。
サラボーンの幅広い声域とジャズシンガーとしての歌唱力
サラボーンの、特筆すべき魅力は、その声域の広さです。
オペラ歌手に匹敵するほどの声量があったとされますが、音源を聴けばそれは明らかです。
しかし、単に声量があるとか、音域が広いだけではなく、ジャズシンガーとしてその表現力がとても素晴らしいのです。
つまり細やかな歌唱テクニックを持っていたのです。
これは音源を聞いてみれば明らかなんですよね。
元々はピアニストだったサラボーン
サラボーンはジャズシンガーだっただけでなく、ピアニストとしても素晴らしいテクニックを持っていました。
記録によると7歳からピアノを習っていたそうです。
オルガンも習っていたみたいですね。
ジャズシンガーとして楽器もできるということはとても強みだと思います。
特にピアノは音楽的基礎知識を吸収するのにとても良い楽器だと思います。
サラボーンはライブでピアノ弾き語りを披露しています。
それはこちらのyoutubeでも確認できます。
とても楽しそうなライブですね、サラボーンはとても気さくな性格だったようです。
オーディエンスとの距離の取り方もとても上手くエンターテイナーとしても素晴らしかったのですね。
サラボーンは、バラードでもスイングしたシンガー
動画を見ると確認できるのですが、バラードでもサラボーンなりにリズムを取っているのですね。つまり彼女の中にはテンポに関わらず常にリズムがあるのです。そしてそれはスイングしているのですね。
それがサラボーンの特徴の一つです。
サラボーンのオススメの音源
HOW HIGHT THE MOON
作詞:ナンシーハミルトン
作曲:モーガンルイス
サラボーン(vo)
キャノンボールアダレイ(as)
ジミージョーンズ(p)
ジョー ベンジャミン(b)
ロイヘインズ(drs)
「HOW HIGHT THE MOON」は、1940年にミュージカルの「トゥー フォーザ ショウ」のために「モーガン ルイス」により作曲され、「ナンシー ハミルトン」により作詞された曲です。
この音源はアップテンポのアレンジで冒頭からいきなりサラボーンのボーカルに入っていきます。
軽快に歌いこなすサラボーンはさすがですね。
そして程なくキャノンボールアダレイのアルトサックスが鳴り響きます、素晴らしい、ソロですね!
その後、サラボーンのアドリブと、キャノンボールアダレイのアルトサックスのアドリブがやり取りされます。キャノンボールアダレイのアルトサックスと対等に渡り合うサラボーンの歌唱力はさすがと言わざるを得ません。それにしてもものすごい声域ですね。
そしてリズム感もすばらしいです。そしてテンポも完璧!
サラボーンの発声は奥深いところから発声する深みのある声が特徴です。
オーケストラをバックに、素晴らしい歌唱を聴かせてくれる、この音源、是非聴いてみてください!
Embraceable you
作詞:アイラ ガーシュウィン
作曲:ジョージガーシュウィン
サラボーン(vo)
ジミージョーンズ(p)
リチャードデイビス(b)
ロイヘインズ(drs)
「Embraceable you」は、1930年、ミュージカル「ガール クレイジー」のために書かれた曲。
自民ジョーンズトリオをバックにしっとりと歌うサラボーンもいいですね!
それにしても何という深みのある声なんでしょう!
高音の伸びの美しさも素晴らしいです!
ジャズシンガーでこれだけしっかりとした歌唱テクニックを確立した女性ボーカリストはそうそういません。
ジミージョーンズのピアノもしっとりとして素晴らしい演奏です!
まとめ
いかがでしたか今回の記事では伝説的な女性ジャズシンガーサラボーンの魅力について書いてみました。
ぜひ、サラボーンの音源を聴いて、あなたも、サラボーンの、素晴らしい歌唱に浸ってみてください!