jazzスタンダードソングは、作詞作曲されて古い曲で100年近くになりますがいつまでも歌い継がれる曲は美しい輝きを失いません。
スタンダードソングとは?
スタンダードソングという言葉は、普段耳にしますが、では果たして「スタンダードソングってなんなの?」といきなり聴かれても答えに困るのではないでしょうか?
スタンダードソングを一言で言うと、20世紀初頭から現在まで、映画、ミュージカルの主題歌や挿入歌、ポピュラーヒットソングとして親しまれ、オリジナル曲を多数のシンガーや楽団によりカバーされて今でも親しまれている曲のことです。
日本の歌謡界では、今でこそカバーバージョンは当たり前になってますが、アメリカでは昔から多数のシンガーやミュージシャンがいろんなアレンジでカバーするのは当たり前なのです。
スタンダードソングはこの世に何曲くらいあるの?
日本がアメリカとの戦争に負けて、アメリカからいろんな文化とともにjazzが入ってきました。
その後、昭和20年代から30年代に1001という楽譜集をがあり、その原型は当時のアメリカ軍が持ち込んだ楽譜でした。その後、耳の良い日本人により採譜された新しい曲や日本人向けの記事が加えられ1001というタイトルに変化しました。
では、1001曲あるの?というとそうではないみたいで、jazz望む曲だけだと200から300曲くらいかなと言われています。この辺の数は、スタンダードソングのボーダーラインが多少なりとも曖昧なので、数に多少幅があるみたいです。また、古い曲の中でだんだん忘れられたり、また、新しいスタンダードソングが生まれたり増減を繰り返しながら推移しているのでしょう。
スタンダードソングはほんと奥が深い世界ですね〜〜
スタンダードソングの起源とは?
19世紀半ば、アメリカのニューオリンズで生まれたjazzは、20世紀初頭にシカゴに渡り完成した。このjazzと融合して生まれたのがjazzスタンダードです。
多くのユダヤ系の作家によって書かれたメロディーがjazzのブルーノートスケールと融合しスタンダードの世界が生まれたのです。
スタンダードソングの歌詞の内容は?
スタンダードソングのほとんどは人間の共通のテーマの恋の歌が多数ありますが、中には違う内容の歌もあるようです。
例えば、季節もの、御当地もの、人生訓的なもの、などです。
例えば、季節ものだとクリスマスソングがあります。
御当地ものだと、「思い出のサンフランシスコ」
「バーモントの月」「ジョージア オン マイ マインド」などです。しかし、じつはそのほとんどは恋を歌っているんですね〜〜
人生訓だと「ハイ ホープ」「明るいおもて通りで」
なんかがあります。
曲の形式の決まりはあるの?
歌はさまざまなスタイルがあるので形式も様々ですが、一般的には、A A B Aが多いみたいです。
しかし、昔の人は歌を歌うときにこのような形式を意識して歌っていたわけではないでしょう。
しかし、スタンダードソングが多数作られるようになった1920年以降は、形式を前提として作られる曲が多くなったみたいです。ただし、形式に当てはまらない曲もあるみたいです。
ソングライターはどんな人がいるのか?
スタンダードソングの最初のソングライターは、
ジェローム カーンとされています。
代表作は「オール マン リバー」があります。
彼はユダヤ系でそのメロディーは、ユダヤ民族独特のメランコリーと叙情性があり、その後のスタンダードソングに多くの影響を与えました。
その後は、
- アービング バーリン
- ジョージ ガーシュイン
- リチャード ロジャース
- バード バカラック
- レナード バーンスタイン
- スティーブン ハンドハイム
- ハルロド アーレン
- ジュール スタイン
- アーサー シュワルツ
- ビクター ヤング
- サミー カーン
- ジミー バン ヒューゼン
- マービン ハムリッシュ
たちは全てユダヤ系です。
- コール ポーター
- ジョニー マーサー
- ヘンリー マンシーニ
- はユダヤ系ではないです。
いかに、スタンダードソングライターにユダヤ系が多いかわかりますね〜
多国籍のソングライターもいるの?
ユダヤ系の作家が多いスタンダードソングの世界ですが、そうではないソングライターもいます。
「曲名」とソングライター名:系統を下記に記載します。
- 「ラ メール」:シャル トレネ:フランス人
- 「そして今は」:ジルベール ベコー:フランス人
- 「枯葉」:ジョセフ コスマ:ポーランド系フランス人
- 「モア」:リズ オルトラーニ:イタリア
- 「ゴッドファーザー」:ニーノ ローター:イタリア
- 「愚かな私」:アンソニー ニューリー&レスリー ブリッカス:イギリス
- 「君を想いて」:レイ ノーブル:イギリス
- コール ポーター:アメリカ人だが非ユダヤ系
- ジョニー マーサー:アメリカ人だが非ユダヤ系
と、非ユダヤ系のソングライターもいます。
名コンビのソングライティングチームとは?
作曲家と作詞家の名コンビは、
ロジャース=ハート
ロジャース=ハマーシュタイン
のように、リチャード ロジャースと作詞家のコンビは有名です。
リチャード ロジャースは、ブロードウェイのミュージカルを多く書き、それらの多くはハリウッドで映画化されメジャーになりました。
他の名コンビでは、
アーサー シュワルツ=ハワード ディーツ
サミー カーン=ジミー バン ヒューゼン
レナード バーンスタイン=ベティ コムデン
など、スタンダードの作家の名コンビはとても多いです。
1人で作詞作曲をするタイプ
1人で作詞作曲をやってしまう作家は、
「アービング バーリン」と「コール ポーター」が有名です。
最もたくさんスタンダードソングを書いた作家は?
「デューク エリントン」と「アービング バーリン」が最もたくさんスタンダードソングを書いたと言われています。
スタンダードソングになる曲とは?
ヒットした曲が全てスタンダードソングになるわけではないところが面白いところで、たいしてヒットしてないのに、徐々にスタンダードソングとして親しまれる曲もあります。
例えば、フランク シナトラが歌った「夜のストレンジャー」は当時ヒットしましたが、スタンダードソングとは言い難いです。
逆に、ブロードウェイで上演されたミュージカルがぱっとしなくても、ある挿入歌がだんだんと多数のシンガーに歌われ、人々に愛される曲になりスタンダードソングとなることがあるのです。
また、ロックの曲でもビートルズの曲はスタンダードソングになりますが、同じ時代にお互いライバルだった、ローリングストーンズの曲はスタンダードとは言えません。
クリスマスソングは?
「アービング バーリン」の「ホワイトクリスマス」は、スタンダードソングです。
多くのシンガーが、クリスマスアルバムをリリースすると、収録曲はスタンダードソングに昇華するということが起きてきました。
例えば、
- ホワイトクリスマス
- クリスマスを我が家で
- あなたに素敵なクリスマスを
- ザ クリスマス ソング
など、他にも多数あります。
もともとインストものに歌詞がついてスタンダードソングになった例
「ミッドナイト サン」は、黒人ジャズマン、ライオネル ハンプトンが1947年に器楽曲として作曲しましたが、1954年にソニー バークが手を加え、ジョニー マーサーが作詞してのちにスタンダードソングになりました。
デューク エリントンの名曲はこのパターンが多いです。
元はクラシックの曲がスタンダードソングになった事例はあるのか?
原曲がクラシックの曲がスタンダードソングになった例は多数あります。
- 慕情
- ある晴れた日
がそんな事例の曲です。
ビートルズの曲はスタンダードソング?
ビートルズの曲は様々な、シンガーやミュージシャンにjazzにアレンジされてスタンダードソングとして認知されています。
まとめ
スタンダードソングはいつの時代でも人々に歌い継がれ、普遍の魅力に溢れています。
日本では昨今、若者がjazz離れしていると聴きますが、私自身、jazzスタンダードソングを愛する者の1人として、少しでもjazzスタンダードソングの数々があなたの大好きな歌になることができるきっかけになれればとブログで記事を書いていきます。
参考書籍:ジャズボーカルにくびったけ
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